見積もり用のメモと電卓、紙見本、写真集の見本(イメージ)
イメージ(AI生成)。実際の制作例ではありません

この記事の要点

部数は、配る相手が決まっている分と、販売などの見込みを分けて考えます。単価だけで増やさず、保管場所と増刷の条件まで確認し、完成後に無理なく届けられる数を選びましょう。

まず配る相手を数え、確定分と見込み分を分ける

写真集の部数は、写真の枚数よりも届け先から考えます。家族、友人、写真仲間、撮影に協力してくれた人など、名前を書き出します。同じ世帯へまとめて贈るのか、それぞれに渡すのかを決めると、重複を避けられます。

贈呈は無償で本を贈ることです。渡す予定が固まった分、希望を尋ねている分、販売したい分を別の欄にします。「欲しいと言われそう」という期待だけで、確定分へ入れないようにしましょう。著者自身が保管する本や、人に見せる見本も忘れずに記入します。

用途数える材料数を決めるときの注意
家族・知人へ贈る名前や世帯ごとの一覧重複と渡し方を確認する
撮影協力者へ贈る掲載への協力者一覧希望と送り先を確かめる
写真展で販売する購入希望、過去の反応、来場見込み来場者数を販売部数と同じにしない
書店・Amazonで販売する選ぶ流通コース流通用と手元へ届く分を分ける
寄贈・見本・保存受け入れを確認した施設と手元用寄贈先の承諾前に大量に確保しない

この表を基に、必要分と未確定分を分けた配布計画を作ります。申し込み直前に更新し、名前だけの予定がそのまま残っていないか見直します。

写真展の来場見込みは購入見込みと分けて考える

写真展では、展示の記録として本を持ち帰りたい人がいる一方、作品を見るだけの来場者もいます。来場見込みの全員分を作るのではなく、事前に購入希望を尋ねる、会場で見本を見せるなど、反応を知る方法を考えます。確かめていない販売率を置いて計算する必要はありません。

会期中に追加の本を届けられるか、会場に置ける在庫はどれほどかも確認します。自宅の保管分と会場へ搬入する分を分けると、持ち運びを計画しやすくなります。会場用を多く取りすぎて、先に約束した贈呈分が足りなくならないようにします。

残った本を会期後にどう届けるかも決めます。次の展示、希望者への発送、継続する販売窓口など、実際に対応できる方法を選びましょう。会場での準備は写真集の販売で確認できます。

最少部数は印刷方式と流通コースで違う

お手軽出版の制作条件は「最少16ページ・10部から(10部単位。オフセット印刷は30部から)」です。少部数で印刷できる条件と、一般書店で販売できる条件は別です。同社の流通の案内は「書店流通は注文のみ対応で200部から(委託配本は400部から、Amazonのみは10部から)」となっています。

見積もりでは、制作する総部数、流通へ回す部数、著者の手元に納品される部数を確認します。書店向けの在庫を、そのまま家族へ配れる数に含めないようにしましょう。コースごとの詳しい区分は書店・Amazonでの販売を参照してください。

手元に1冊だけ残したい場合は、フォトブックとの比較も参考になります。必要な冊数、用紙や製本の希望、相談を頼みたい範囲によって、向く作り方は違います。最少部数に合わせるためだけに、配る相手を増やす必要はありません。

少部数と多部数は総額と保管の負担まで比べる

一般に、少部数は必要な数を絞りやすい一方、1冊あたりの制作費が高くなる場合があります。多部数では単価が下がっても、支払う総額や保管する量が増えることがあります。比較するときは、同じ判型、ページ数、紙、製本で見積もりを取ります。

お手軽出版は「100部未満だと1冊あたりの生産コストが高くなるため、運営会社は100部以上をすすめている」と案内しています。これは生産コストの説明です。配布先が少ない人まで、その部数を選ぶ必要があるという意味ではありません。自分の予定に対して、増やす分の使い道を説明できるかを考えましょう。

写真集は用紙や判型によって重さも変わります。納品時の箱数やおおよその重さ、置き場所に収まるかを依頼先へ確認します。湿気や直射日光を避けて保管できる場所を用意し、発送用の梱包材や作業する場所も含めて考えると、完成後に慌てずに済みます。

増刷は同じ仕様の条件と必要な納期を確かめる

増刷は、完成した本を追加で印刷することです。お手軽出版の案内は「増刷は印刷費のみ(1割引・最大10,000円)」です。この条件を基に、最低部数、割引の適用範囲、送料、必要な期間を申し込み時に確認しておきます。

本文の写真やページ数、用紙を変えたい場合は、同じ本の増刷と同じ条件になるかを改めて相談します。初回の見積額を単純に部数で割って、追加印刷の費用に当てはめることはできません。印刷時期や条件が変わる場合の色の確認方法も聞いておきましょう。

販売や贈呈の記録を付け、残部が少なくなってからではなく、次に必要な日が見えた段階で相談します。最終の入稿データと修正内容、採用した仕様を保管しておくと、増刷を頼む際に話を揃えやすくなります。

贈呈は相手に合わせた短い手紙と一緒に届ける

贈る相手には、なぜこの本を届けたかったかを短く添えます。たとえば「撮影の際はお世話になりました。あの日の風景を写真集にまとめましたので、お手元でご覧いただければ幸いです」と書けば、受け取る人にも背景が伝わります。感想や購入の紹介を求めすぎないことも大切です。

遠方へ送るなら住所を確認し、手渡しなら無理のない機会を選びます。発送済み、手渡し済みを一覧に記録すると、送り忘れや二重発送を防げます。遺作写真集では、送り主を家族で揃え、故人と相手の関係に配慮して案内文を作ります。

図書館や母校への贈呈は、個人へ贈る場合と分けて寄贈の相談を進めます。先に受け入れを確認し、了承された部数を配布計画へ入れましょう。

出典・参考

仕様を決めたら、費用を確かめる

写真集用のフォームで判型・ページ数・部数を選び、必要な作業も含めて確かめましょう。