机に並べた写真のプリントを選ぶ手元(イメージ)
イメージ(AI生成)。実際の制作例ではありません

この記事の要点

写真集用の撮影では、主題のよい写真に加え、場面をつなぐ写真や表紙に使える余白も用意します。縦横の構図と撮影記録を残し、選んで並べたときに足りない役割を見つけて撮り足します。

同じ場面でも、縦位置と横位置を残すと配置を考えやすくなります

写真集のために撮るときは、よい瞬間を写すことに加え、どのようなページに使えるかを考えます。縦位置は上下の広がり、横位置は左右の広がりを見せやすい構図です。主要な場面で両方を撮っておくと、表紙や本文で選べる幅が生まれます。

ただカメラを回すだけでなく、何を含めるかを変えます。山の横位置では稜線の広がりを、縦位置では足元から空へ続く奥行きを見せられます。人物も、立ち姿だけでなく周囲の場所が分かる写真があると、場面を伝えやすくなります。

後から切り抜けばよいと考えすぎると、必要な部分や画素が足りなくなることがあります。大きく載せたい写真は元の画像を残し、切り取り後に使える大きさを解像度のツールで確認します。縦横を無理に引き伸ばして本の形に合わせないようにしましょう。

文字と見開きのノドを想像し、主題の周りに余白を残します

表紙には書名と著者名、本文には短い説明を置くことがあります。主題を画面いっぱいに収めた写真に加え、空や壁など、文字を置ける余白を含む構図も撮っておきます。暗い部分なら必ず文字が読めるわけではなく、模様や明暗の変化にも注意します。

見開きの中央にある綴じ目をノドと呼びます。お手軽出版の案内でも、見開きの中央は本のノド(綴じ目)になり見にくくなるので、画像の大事な部分をかけないとしています。見開き用の風景では、人物の顔や山頂、建物の中心など、隠れてほしくない部分の位置を考えます。

紙の端まで写真を印刷する場合は、仕上がりの位置で周辺が切られることも考えます。主題のすぐ外側に余裕がない写真だけにせず、少し広い範囲を写した候補も用意します。撮影時に厳密な寸法を決めきれなくても、レイアウトで調整できる余地を残せます。

シリーズでは同じ視点を続け、表紙候補は本全体を代表させます

同じ木の季節変化や商店街の記録なら、撮影位置、高さ、向き、被写体までの距離をメモします。視点をそろえることで、形や季節の違いが見えやすくなります。撮るたびに大きく角度が変わると、何が変化したのか比べにくい場合があります。

比較用の写真とは別に、周囲の風景や細部も撮れます。全体の中で、同じ条件を続ける部分と視点を変える部分を分けて考えます。定点のシリーズなら同じ位置からの写真が軸になり、細部は変化を補う役割になります。

表紙候補には、単独で目を引くだけでなく本全体のテーマを伝える写真を選びます。「森を歩く本」なのに山頂だけの写真では、内容の印象がずれるかもしれません。縦の表紙用、横に広く使う案、文字の余白がある案を意識して残すと、表紙づくりで比較できます。

手ぶれ・夜景・植物・風景は、印刷で見せる場面に絞って確認します

旧サイトの撮影のヒントは、写真集で大きく使う写真を確認するときにも役立ちます。ただし、夜景がうまく写らない理由をフラッシュだけに求めたり、明るい写真だけを正解にしたりする必要はありません。次の点を、撮影後の確認に使ってください。

場面撮影時の確認写真集のために残すもの
手ぶれが出やすい場面構えを安定させ、必要に応じて三脚などで固定。主題のぶれも確認大きく使える、意図しないぶれのない候補
夜景・イルミネーション遠い景色には通常フラッシュが届かない。発光を切る方法や固定を検討明るい光と暗い部分の両方が分かる写真
植物近づきすぎてピントが合わない状態や、風による動きを確認花の細部に加え、葉や周囲の環境も
風景主題の位置、水平、光や天候による見え方を確認全景、途中の道、細部の組み合わせ

夜景と人物を一緒に撮る場合など、近くの被写体を照らす目的でフラッシュを使う場面もあります。一律に使わないと決めず、何を見せたいかを基準にします。植物では、カメラを固定しても被写体が風で動く点を忘れないようにしましょう。

風景の大きさを伝えるには、人や道を画面に含める方法もあります。広い写真ばかりでなく、天候の変化や身近な細部も残すと、本の流れを作りやすくなります。現地の撮影ルールを守り、無理な場所へ立ち入らずに撮れる構図を選んでください。

撮影日と場所を記録し、構成から足りない場面を撮り足します

撮影日、場所、被写体の名前、撮影の意図を短いメモにします。画像の撮影情報に日時があっても、カメラの時計がずれていることがあります。日付と場所が確かなら、キャプションを作るときの確認が進みます。

撮り足しは、候補を本の順番に並べてから考えます。「きれいな写真が足りない」と広く探すより、入口、つなぎ、比較、結びなど、欠けている役割を決めると必要な場面が見えます。次は撮り足しメモの例です。

今ある写真足りない役割撮り足す候補
山頂の全景が中心そこへ至る過程登山口、森を抜ける道、足元
家族の集合写真が中心暮らしの様子食卓を整える手、歩く後ろ姿
花の接写が中心場所や季節の説明庭の全体、葉、花が終わった姿
被写体が大きく写る写真が中心書名を置く場所主題の周りに空や壁の余白がある構図

過去の出来事を、撮り足した写真で当時の場面のように見せない配慮も必要です。地域の記録などでは撮影時期を示し、現在の写真を補足として使えます。撮り直せない場面は、別の構成や短い説明で補うこともできます。集めた写真をもう一度選び直し、本としてつながるかを確かめましょう。

出典・参考

選ぶ・並べるところから始める

作り方の全体を見渡し、候補の写真から必要なページ数を考えましょう。