
この記事の要点
写真は、テーマに合う候補を集め、似た場面を比べ、本の流れの中で採用を決めます。意図しないぼけや手ぶれは原寸でも確認します。明るさや鮮明さだけでなく、その写真を入れる役割を考えましょう。
写真の選び方は、全部・候補・採用の3段階で進めます
写真を選び始める前に、本のテーマと読者を短い言葉にします。「旅のすべてを家族へ残す」と「港町の朝を作品として見せる」では、必要な写真が違います。テーマの決め方で作ったメモを、選ぶときの基準にしてください。
全部の写真は元の保存場所に残し、候補と採用は作業用のフォルダや評価印で区別します。採用しない画像を削除する作業にはしません。後で並べたときに、最初は目立たなかった写真が必要になることもあります。
| 段階 | すること | 判断の例 |
|---|---|---|
| 全部 | 写真を集め、元データと所在を残す | 旅行ごと、撮影日ごとに見渡せる状態にする |
| 候補 | テーマに関わる写真を広めに拾う | 港の朝なら、船だけでなく人や道具も候補にする |
| 採用 | 重複と役割を見ながら絞る | 全景、動き、細部、結びに必要な写真を残す |
候補には「光がよい」「場面が分かる」「家族に確かめたい」など短い理由を付けます。採用と保留を区別し、確認待ちの写真がいつの間にか確定しないようにします。迷った写真は、単独で見るときと隣の写真と見るときの両方で判断しましょう。
似た写真は、違いが伝わるかを並べて比べます
連続して撮った写真は、同じ大きさで並べます。被写体の位置、背景の整理、表情、手足や羽の形、光の入り方を見比べます。新しい情報がほとんどないなら、テーマに合う代表写真を選ぶと流れがすっきりします。
ただし、似た写真を必ず外す必要はありません。つぼみから開花する変化、人物が振り向く動き、列車が近づく過程など、連続で見せる意味があれば採用できます。「なぜ隣り合う写真が必要か」を言葉にしてみてください。
例えば港の船を同じ角度から撮った候補なら、「朝の光を見せる写真」「荷を運ぶ人が分かる写真」「空だけが少し違う写真」に分けます。光と仕事がテーマなら前の写真を残し、空の違いだけの写真は保留にする、と判断できます。
ピンぼけ・手ぶれ・明るさは、意図と掲載サイズで確かめます
意図していないピンぼけや手ぶれは、候補を絞る際の確認点です。小さな一覧では気づきにくいので、重要な部分を拡大して見ます。その後、実際に本へ載せたい大きさでも確認します。画面いっぱいに拡大した見え方だけで決めないようにしましょう。
動きを表すためのぶれや、焦点を外した表現なら、その意図が本の中でも伝わるかを見ます。家族の記録など撮り直せない写真は、小さく使う、説明を添えるといった選択もできます。補正すれば必ず鮮明になるとは考えず、補正とレタッチで調整できる範囲を整理します。
旧サイトは明るい写真を選ぶことを勧めていましたが、夜景や影を見せたい写真まで明るくする必要はありません。主題が見えるか、白い部分や暗い部分に必要な細部が残るかを基準にします。画面の明るさにも左右されるため、印刷する紙での見え方は別途確認します。
モノクロにする候補は、色の違いで区別できていたものが同じ濃さにならないか試します。お手軽出版の画像の案内でも、明暗の差が少ないカラー写真はモノクロで細部が分かりにくくなる場合があると説明しています。
縦横のバランスと人物の変化が、本の単調さを減らします
縦位置は上下の広がり、横位置は左右の広がりを見せやすい構図です。木や塔、立ち姿には縦が合うことがありますが、周囲の空間を見せたいなら横も選択肢です。本に合わせて無理に切り取る前に、どこまで写っている必要があるかを確認します。
縦横の枚数を同じにそろえる決まりはありません。横位置ばかりなら横長の判型を検討する方法もあります。似た大きさ、同じ位置で写真が続いて退屈に感じる場合は、遠景と近景、全体と細部の組み合わせも見直します。
人物やペットでは、こちらを見ている写真だけに偏らないようにします。手元、横顔、歩く姿、誰かと関わる場面なども候補です。笑顔の違いだけでなく、行動や距離の変化があると、その人らしさが伝わります。掲載する人物への確認は権利の記事も参照してください。
採用枚数は、写真に使えるページと見せ方から考えます
写真集に必要な枚数は一律ではありません。考え方の例として、写真用のページに1ページ1枚を置けば、そのページ数と同じ枚数が入ります。見開きに1枚なら2ページを使います。複数枚をまとめる紙面では、細部が小さくなりすぎないかを確かめます。
本のページすべてを写真に使えるとは限りません。扉、章の説明、あとがき、奥付などの場所も考え、写真の枚数からページ数を考えるツールで概算します。先に枚数だけを固定して、余った写真を詰め込まないようにしましょう。
採用候補を並べ方と構成の手順で並べると、同じ場面の重複や足りない場面が見つかります。外した写真を戻すことも、必要な場面を撮り足すこともできます。選ぶ作業と並べる作業を行き来し、写真ごとの役割が見える状態を目指します。