パソコンで風景写真の色を調整する手元と色見本(イメージ)
イメージ(AI生成)。実際の制作例ではありません

この記事の要点

画面と紙では色の見え方が変わります。色の変換方法を依頼先に確認し、代表的な写真を紙の色校正で見ましょう。修正は写真番号・場所・変えたい点・残したい点を組み合わせて伝えます。

画面の鮮やかな色が印刷で沈むのはなぜですか

画面はRGB、つまり赤・緑・青の光で色を表します。一般的なカラー印刷ではCMYK、つまりシアン・マゼンタ・イエローと黒のインクを使います。紙は自ら光らず、照明などの光を反射して見えます。この仕組みの違いが、同じ写真でも印象が変わる理由の一つです。

色域とは、ある機器や印刷条件で表せる色の範囲です。画面で見える鮮やかな青や紫、蛍光色に近い色には、通常のCMYK印刷では表しにくいものがあります。変換後に鮮やかさが落ちたり、隣り合う色の違いが小さくなったりします。彩度を上げ続けても解決するとは限りません。

まず、作品で何を守りたいかを決めます。夕景なら空の色のつながり、人物なら肌の自然さ、工芸作品なら釉薬の色などです。すべてを画面と同じにする要求より、主役となる色と階調を伝えるほうが調整の目的を共有できます。

モニターの明るさをそろえてから色を比べます

モニターを明るくしすぎると、暗い画像も明るく見えます。その画面を基準に補正すると、印刷で予想より暗く感じることがあります。画面だけがまぶしい環境を避け、部屋の明るさもそろえて比較してください。表示の色味を自動で暖かくする機能にも注意します。

同じ画像がスマホとパソコンで違って見える場合、どちらかがそのまま印刷の正解とはいえません。画面の色を測って調整するキャリブレーションも有用ですが、紙・インク・照明の違いまでは消せません。仕上がりの判断は紙の見本と組み合わせましょう。

RGBで送るかCMYKにするかは依頼先に確認します

CMYKへの変換には、印刷条件に合った設定が必要です。ICCプロファイルは、機器や印刷の色の特性を伝えるデータです。一般的な基準の例としてJapan ColorのICCプロファイルがありますが、どのプロファイルを使うかは依頼先の指定に合わせます。

お手軽出版ドットコムの通常印刷については、RGB・CMYKの指定や変換を誰が行うかを依頼時に確認します。広演色・高精細印刷にはRGBデータで送る案内があります。通常印刷にも同じ扱いを当てはめず、元のRGB画像を保存してから、指定に沿って入稿用を書き出してください。

色校正は紙と印刷機の条件を確かめて選びます

色校正は、本刷りの前に色の仕上がりを点検する工程です。呼び名や範囲は会社によって異なり、次の区分は重なることもあります。名称だけで選ばず、使う機械・紙・確認できる範囲を聞きます。

呼び方一般的な意味と確認すること
本機校正本番で使う印刷機で刷る方法。用紙やインクも本番と同じか確認します
本紙校正本番の用紙で出力する方法。機械も本番と同じとは限りません
簡易校正本番とは別の出力方法などで色を確認する方法。再現範囲を確認します
デジタルプルーフデータから専用のシステムで出力する校正。簡易校正の一種として扱う場合があります

お手軽出版の本色校は、実際の印刷機と本文用紙で確認する方法です。通常印刷の料金例は次のとおりです。B5の「同」も、カバー・表紙と本文16ページのカラー印刷を指します。

本色校の仕様料金例(税込総額と税抜額)
A5 カバー・表紙と本文16ページのカラー132,000円(120,000円+税)
B5 同242,000円(220,000円+税)

同社の簡易色校は「カバーのデジタルプルーフ(簡易色校) 1枚5,500円+送料550円(税込)」です。専用紙のため、本番用紙の風合いは確認できません。カバーの色校には、表面にフィルムを貼るPP加工はされません。加工後の見え方も担当者に確認します。なお、広演色・高精細印刷の色校正費用は、通常印刷の色校正費用とは異なるため、希望条件で見積もりを取ります。

広演色・高精細印刷は作品の狙いと合わせて検討します

お手軽出版の広演色・高精細印刷は、Kaleidoインキとハイブリッドスクリーニングを組み合わせたオプションです。通常のCMYKより広い色域を再現するもので、同社はRGB入稿と本色校の追加を案内しています。

広い色域でも画面の全色がそのまま紙に移るわけではありません。落ち着いた色合いを求める場合も、印刷見本を見て選びます。オプションの費用と校正費用を含めて相談し、希望の色に合うかを先に確かめましょう。

修正指示は写真番号と変える場所を具体的に書きます

「もっと青く」だけでは、空・海・建物のどこを変えたいか分かりません。以下は指示の書き方の例です。写真の原稿や実在の制作例を示すものではありません。

曖昧な指示伝わりやすい指示の例
もっと青く写真012の空の赤みを弱めたい。肌と建物の色は今のまま残したい
明るくしてほしい写真018の人物の顔を見やすくしたい。雲の白い部分の模様は残したい
前と同じに前回の校正刷りの写真005を基準に、今回の写真006の緑を合わせたい

校正刷りには日付と版を記し、基準にする見本を双方で共有します。隣り合う写真も同じ照明で見比べ、単独で気に入る色と、本を通して自然につながる色の両方を確認してください。補正とレタッチも参考になります。

出典・参考

印刷サイズとデータを確かめる

掲載する大きさに画素数が足りるか計算し、入稿の準備を進めましょう。