
この記事の要点
判型は写真を見せる大きさと向き、製本は持ち方や開きやすさから選びます。見開き写真の大事な部分をノドに重ねないことが基本です。実寸の紙と製本見本を使い、写真がどう見えるか試しましょう。
写真集の判型は写真を見せたい大きさで選びます
判型は、本の仕上がりの大きさです。大きな判型は風景の細部を見せやすく、小さな判型は手元で気軽に開きやすくなります。写真の細かさだけでなく、読む場所や贈る相手、保管する棚も考えて選びましょう。
次は縦型にした場合の仕上がり寸法です。幅×高さで示しています。塗り足しを含むデータ寸法や、ハードカバーの表紙外寸とは異なります。B5・B6は日本で一般的な寸法です。
| 判型 | 仕上がり寸法(幅×高さ) | 写真集で試したい使い方 |
|---|---|---|
| A4 | 210×297mm | 風景や作品の細部を大きく見せる |
| B5 | 182×257mm | 写真の大きさと手に持つ扱いやすさを比べる |
| A5 | 148×210mm | 身近な記録や贈り物をコンパクトにまとめる |
| B6 | 128×182mm | 小さな写真と言葉を近くで楽しむ構成にする |
これらは用途を限定するものではありません。同じ代表写真を複数の寸法で配置して、顔の表情や細部が読めるか試します。大きく使う写真の画素数も、この段階で確認すると判型を決めやすくなります。
縦型・横型・正方形は写真の向きと余白で比べます
縦位置の人物写真が多ければ、縦型のページに収めやすくなります。横位置の風景写真が多い場合、横型なら見開きにせず大きく見せられます。ただし、ページと写真の縦横比は必ずしも一致しません。全面に入れるには切り取りが必要か、余白を残すかを考えます。
正方形は変型判の一つです。縦位置と横位置を混ぜても余白で調整しやすく、写真の向きが頻繁に変わる構成で検討できます。横型も正方形も、開いたときの幅を確かめてください。机の上で見る本と、手に持って見る本では扱いやすさが違います。
例えば、旅の写真集で横位置の風景が中心でも、縦位置の人物写真を小さく添えるなら縦型が合うことがあります。まず代表的な見開きを紙に出し、ページの形を写真の枚数だけで決めないようにしましょう。
ハードカバーとソフトカバーは表紙の作りが違います
ハードカバーは厚い芯材を使った硬い表紙を付ける上製本です。ソフトカバーは曲がる表紙を使う並製本です。硬さや重さ、持ったときの印象が変わります。贈呈用や長く手元に置く本では上製、持ち歩きや配布を考える本では並製も候補になります。
本体に付く表紙と、その外側に巻く取り外せるカバーは別のものです。「ソフトカバーだから巻きカバーを付けられない」という意味ではありません。表紙・カバー・帯をどう組み合わせるかは、表紙の作り方で整理できます。
お手軽出版のハードカバーは見返しを付け、表紙は中身より周囲に約3mm大きくなります。見返しは表紙と本文をつなぐ紙です。表の判型寸法を、本の外寸や発送用の箱の寸法として使わないようにしてください。見積もりは紙やページ数も同じ条件にそろえて比べます。
見開き写真はノドに隠れる部分を考えて配置します
ノドは、見開きの中央にある綴じ目側の部分です。ページが平らに開かないと、中央が奥に入り、写真の一部が見えにくくなります。顔、建物の中心、作品の署名など、大事な部分を中央へ置くことは避けましょう。
例えば山並みを見開きにするなら、主峰がノドに重ならない位置まで写真を動かしてみます。集合写真なら、顔が中央に入る配置を避けます。画面上の見開きは平らなので、紙を折って綴じ目を作り、どこが見えにくくなるかも確認します。
ノドの見え方は、紙の厚さやページ数、綴じ方で変わります。決まった幅を空ければすべての本で十分とはいえません。依頼する製本の見本を開き、必要な余裕を担当者と決めてください。レイアウトでは塗り足しや余白も合わせて考えます。
お手軽出版の判型と横型の条件を確認します
お手軽出版の選択肢は「A4・B5・菊判・A5・四六判・B6・新書判・文庫判。写真や絵が中心の本はA4横・B5横・A5横も選べる。これ以外は変型(一回り大きいサイズと同じ料金)」です。正方形の希望は、具体的な幅と高さを伝え、制作の可否と料金を個別に確認します。変型にできるという一般案内だけで、希望寸法の正方形まで確定したとは考えないようにします。
横型は、同じサイズのソフトカバーなら縦型と同じ料金という案内です。横型のハードカバーは多少高くなることがあるため問い合わせます。横長本は、背が丸い丸背ではなく、平らな角背で製本する案内があります。
見積もりには、判型名だけでなく「幅と高さ」「綴じる側」「写真の主な向き」を記します。横型の意味が伝わる簡単な図を添えると、縦横の取り違えを防ぎやすくなります。
開きやすい製本は対応する条件まで比べます
お手軽出版では、見開き写真のある本に次の製本を案内しています。いずれも、採用できる仕様と費用を個別に確認します。
| 製本 | 同社の案内と注意点 |
|---|---|
| PUR製本 | ソフトカバー向け。接着剤を使う製本で、開きやすさを検討できます |
| 糸かがり綴じ | ハードカバー向け。折った紙を糸で綴じます。オンデマンド印刷には対応しません |
| 手帳製本 | 180度開く仕様。ハードカバーとオンデマンド印刷には対応しません |
手帳製本は、本体の背に印刷できません。書店流通を希望する場合や背に書名を入れたい場合はカバーが必要で、長期保存には向かないという案内もあります。開きやすさに加えて、背の表示や保管の目的まで見比べましょう。
希望の判型、製本、本文用紙、ページ数をまとめ、近い仕様の見本を頼みます。実際にページをめくり、見開きの中央、持った重さ、置いたときの安定感を確かめてから決めると、写真の構成にも反映できます。